断捨離
作者 佐藤宗翠
「断捨離」という言葉が流行って久しいですが、お茶の世界は断捨離ismが集まっているかもしれないです。
お点前の行程は合理的、茶室はシンプル、道具も必要最小限で無駄を削ぎ落としています。
それと同様に自分の頭の中、心の中も断捨離できるのがまた茶道なのかなと思います。
お茶の世界は静かです。毎回稽古の時、弟子のお点前が始まると、自分自身の日常のざわつきが少しずつ収まっていくような感覚があります。
お点前の最中、水やお湯の音を聴いていると、いつのまにか日常の雑音が小さくなり、
もっと静かになっていくと、雑音は消え、何となく聞こえる自分の心の声の存在のようなものに気づきます。
その内容はとてもシンプルなものだったりします。
でも、とても大事な自分の声なのかなと思います。それに気づくだけで、現実が少し輝くような感じがします。
そして、それまでざわついていたものは、頭の中の自分対自分の会話のようなもので、思考や心を複雑にさせていたものだったと気づきます。
さらにお点前が進み、静けさと共に自分の頭の中の会話は自然とストップしていきます。
頭の中と心の断捨離かなと思います。
気がつくとその声すら静かになり、呼吸を感じるだけになってきます。
少し瞑想に近いような感覚かも知れません。
お点前が終わる頃には、頭も心もクリアになり、気分がスッキリしていきます。
美味しいお抹茶と美味しい和菓子がさらに元気を加速させてくれます笑
つい複雑に考えたり、物事を進めてしまったりしますが、シンプルがいかに大事かと稽古のたびに思います。
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「斷捨離」這個詞已經流行一段時間了,而茶道的世界或許正是斷捨離主義的集中體現。
茶道的流程精簡合理,茶室簡樸,道具也是最少限度的,摒除多餘的東西。
同樣地,我認為茶道也能讓我們的思緒和心靈進行斷捨離。
茶道的世界很寧靜。每次稽古時,當弟子開始進行點茶,我感覺日常生活中的喧囂一點一點平靜下來。
點茶的過程中,聽著冷水聲和熱水聲,日常的雜音會漸漸減小,
越來越小、越來越安靜,直到雜音完全消失,我意識到自己的心靈深處有個隱隱約約的聲音。
這些聲音的內容往往很簡單。
但我認爲內在的聲音非常重要。僅僅是注意到這些聲音,我就感覺現實變得更加光明。
然後,我發現之前在腦海中嗡嗡作響的聲音,是我和我自己之間的對話,使得思緒和心靈變得複雜。
點茶過程的推進,隨著寧靜,頭腦中的自我對話自然會停止。
我想這或許就是頭腦和心靈的斷捨離。
那些聲音不知不覺中變得安靜,只感覺到自己的呼吸。
這或許是一種接近冥想的感覺。
當點茶結束時,頭腦和心靈都變得清晰,感覺神清氣爽。
美味的抹茶和和菓子進一步加速了這種元氣振奮的感覺,哈。
我總是過於複雜地思考或處理事情,但每次練習時,我都會想到,簡單是多麼重要。