台湾での季節感
作者 佐藤宗翠
1 月 26 日(金)
先日は初釜で稽古始めをし、今回は今年 2 回目の稽古でした。
2024 年の大寒は 1/20〜2/3。大寒は二十四節気の 24 番目で冬の最後と言われています。一年で一番寒さが厳しくなる季節です。
そんな厳しい寒さの時期にだけ「筒茶碗」という、茶碗を使います。底が深く熱が逃げにくい形の茶碗です。
とはいえ、台湾の冬は日本ほどの寒さにはなりません。
外でのイベントや、教室に茶道体験にいらっしゃる方に、抹茶に適した温度は何度ですか?と質問されることがあります。
私たちは温度計でお湯の温度を調整することはなく、気温や天気に相応しい茶碗を使い、お抹茶を楽しみます。
真冬には熱が逃げないような筒茶碗。夏には熱が早く引くような平茶碗。
高さ、飲み口の大きさ、厚さなどいろいろ工夫されています。
筒茶碗でお抹茶をいただくと、寒さを忘れ、身も心もほっこりした気持ちになります。
筒茶碗は、いつものお点前とは少しだけ違う筒茶碗独特の手順があります。
ほんの少しの違いなのですが、年に数回しか使わないので、筒茶碗を目の前にするとお点前をすっかり忘れたような気になり、慌ててしまうこともあります。
茶碗を触っていくうちに自然と身体がお手前を思い出し、平常心を取り戻せば、あとは身体が勝手に動いていきます。
そうすると筒茶碗と仲良くなれたような気持ちになり、小さな自信と安心に繋がり、またお手前が楽しくなります。
この小さな自信の積み重ねは、日常生活にも反映されて、生活にも輝きが増すような気がしてきます。このような心の変化こそ、茶道のおもしろさかなと思います。
和菓子は「花びら餅」。新年ならではの、おめでたいお菓子です。
花びら餅は味噌餡と牛蒡を挟んでいて、起源は、餅を噛むことで長寿を願う、宮中で平安時代から続く歯固めの儀式だそうです。
最初の頃、台湾の方はこの少し珍しい和菓子の味に戸惑っていましたが、今では、「お正月といえば花びら餅だよね」、という声に変わり、一年に一度しか味わえない花びら餅を楽しみにしてくれています。
お花は白に椿と赤の椿。この日は蕾。咲く直前のエネルギーがいっぱいの状態に思いました。数日後には咲き始めることでしょう。
毎年、同じように、新年を迎え初釜をし、花びら餅をいただき、椿を鑑賞し筒茶碗でほっこりする。
当たり前のように日本と同じ季節感、やり方をしてきましたが、今日はお抹茶をいただきながら、ふと…
生徒達もわたしも少しずつ成長してきて、今後は季節感などを台湾に合わせられる部分は合わせた方が、良いのかなと思うようになってきました。
台湾という土地に相応しいお茶。
もっと台湾の季節を感じて、何が一番、心地良いのか、癒されるのか。
本当のお茶とはなんなのかな…とか。
そういうことを追求してもいいのではないかなと。
そしたら、もっとみんなが楽しめるようなお茶の世界に近づけそうな気がします。
このブログを載せる頃は立春となっていると思います。
この春はもっと台湾の季節を感じて、花を見て、
台湾ならではの何を発見できたらいいなと思います。
・・・
台灣的季節感
1 月 26 日(星期五)
前幾天是初釜,我們開始了新一年的茶道練習,這次是今年的第二次練習。
2024 年的大寒是從 1 月 20 日到 2 月 3 日。大寒是二十四節氣中的第 24 個,被認為是冬季的最後。這是一年中最嚴寒的季節。
在這樣嚴寒的時節,我們只有在「大寒」時期才使用「筒茶碗」,這是一種底部較深、不易散熱的茶碗。
然而,台灣的冬天並不像日本那樣寒冷。在戶外活動或參加茶道體驗的人們常問:抹茶適合的溫度是多少?我們從不用溫度計來調整水溫,而是根據氣溫和天氣使用相應的茶碗,來享受抹茶。
在嚴冬使用不易散熱的筒茶碗,夏天使用易散熱的平茶碗,各有高度、口徑、厚度等設計上的差異。
喝著筒茶碗中的抹茶,能夠忘卻寒冷,心身都感到舒暢愉悅。
筒茶碗有著與平時稍有不同的獨特程序。雖然差異很小,但由於每年只用幾次,當筒茶碗放在眼前時,我們會完全忘記平時的点前(泡茶)程序,有時甚至會慌張。
隨著觸摸茶碗,身體自然而然地想起了点前程序,恢復了平常心,之後一切都會自然而然地進行。
這樣一來,我們會與筒茶碗產生一種親密感,並獲得一點小小的自信和安心,点前也會變得更加愉快。
這些小小的自信積累在日常生活中也會反映出來,使生活增添一份光彩。這種心態的轉變,正是茶道的魅力所在。
這是「花瓣餅」,一種新年特有的吉祥甜點。花瓣餅中夾著味噌餡和牛蒡,起源於宮中自平安時代以來持續的祈求長壽的固齒儀式。
起初,台灣人對這款略顯奇特的和菓子味道感到困惑,但現在,已經轉變為「新年就該吃花瓣餅」的聲音,大家都期待著每年只能品嚐一次的花瓣餅。
花朵是白色和紅色的椿花,今天還是含苞狀態,我感受到了即將綻放的能量。幾天後,它們就會綻放。
每年,我們都按照相同的傳統迎接新年,舉辦初釜,品嚐花瓣餅,欣賞椿花,享受筒茶碗帶來的舒適。
當然,我一直遵循著和在日本一樣的季節感和做事方式,然而,今天我在品嚐抹茶的同時,忽然想到...
學生們和我自己都在慢慢成長,或許以後應該更多地將季節感配合台灣的生活。
適合台灣地域的茶道。
更深入地感受台灣的季節變化,探索什麼才是最舒適、最能讓人心靈愉悅的。
真正的茶道是什麼呢?
或許值得去追求這些問題。
這樣一來,我們更可能接近一個讓大家都能享受的茶道世界。
我想,當這篇部落格文章發佈時,已經是立春了。
希望這個春天能更深刻地感受到台灣的季節變化,觀賞花朵,
並發現屬於台灣獨有的美好事物。